このあいだ、ふと思い立って幼少期に過ごしていた場所を一通り巡ってみた。生まれてから小学6年までを過ごした小さい町は何もかもそのままで、神社も学校も田んぼも生家も当時のままだった。
一番驚いたのは毎日のように駆け回っていた公園で、時が止まったかのように誰一人姿はなくお城のように大きく感じたアスレチックや滑り台やブランコもありえないほどこじんまりしていた。
広場には夕暮れの物哀しい陽光に照らされたシロツメグサが満遍なく広がっていて、ただ静かにそよそよと風になびいていた。
子供の頃の記憶なんて良いものばかりではなかったけれど、こうやって訪れてみると苦く思っていた土地に自分の感情が染み付いていてたまらなくなる。ただ懸命に生きるしかなかったあの頃の自分を抱きしめたくなった。
この先いつまであの景色は続いてゆくのか分からないけどまた時折ふと訪れてみたいと思う切なくて愛しくて大事な、わたしの場所なんだと思った。
_liiiiil_
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