犬のこと

はじめてふうに出会った時のことは鮮明に覚えている。抱っこさせてもらった時、一目散に腕をすり抜けて体を登ってしっぽをぶんぶん振り回しながら顔をベロベロ舐めてきた。

わたしは子供の頃からずっと犬と一緒に生活したくて、大人になって念願叶ってわたしの元にやってきた犬だった。

かなりの甘えん坊で女の子だけど体が大きくて声も太い。食いしん坊なのも良く似ている。今膝の上でわたしの手をベロベロと舐めている犬は人間で言うと64歳くらい。ぜんぜんわたしより年上だ。

おやつが大好きで得意げに撫でを要求する。
最近はベッドでよく一緒に寝てくれる。
お鼻はつやっつやだしポップコーンの香りは癖になる。

できればこんな毎日をずっと過ごしたい。
でもきっとあと数年でお別れなんだね。

もうずっと覚悟していて分かっていることなのにやっぱり未だにその時のことを思うと辛すぎて受け入れられない。最期まで幸せに健やかに生きていられるようにするのがわたしがしてあげられる最大限のことなのに、耐えられない気がして頼りないままでいる。
こういうことを考え出すと涙が止まらなくなっちゃう。もっと強くなりたい。

今視界に映っているおもしろい形の犬の後頭部がとても愛おしい。信じられないくらいかわいいな。

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